Q10.贈与税

Q10.贈与税っていくらかかるの?注意点は?

A10.1月1日~12月31日(暦年)の1年間に、贈与を受けた金額が110万円を超えると贈与税の申告が必要です。

(1)贈与税の計算

贈与税額 = (課税価格 - 110万円)× 税率 - 控除額

(2)暦年贈与の活用の注意点

①毎年、贈与契約書を作成する

→贈与行為はあげる意思ともらう意思があって初めて成立します。契約の形で証するため契約書を作成しましょう。

②年間の贈与額が110万を超える時は贈与税の申告を行う

→贈与税の申告期限は贈与が受けた年の翌年2月1日~3月15日までで、納付期限は同3月15日までです。

③受贈者が贈与財産を管理する

→贈与者が贈与した財産を管理していると名義財産として扱われ、贈与がなかったことになります。預金であれば印鑑・通帳を受贈者が管理するようにしましょう。

④生命保険控除等は受贈者に適用する

→保険料贈与を行う場合、贈与者で適用せず受贈者が保険料控除を適用しましょう。

(3)暦年贈与の基礎控除(110万円)にありがちな4つの勘違い

勘違い①

110万までは税金がかからないなら、父から110万、母からも110万贈与してもらおう

→基礎控除は贈与者ことではなく、受贈者ごとに1年間に110万円となります。この場合だと220万ー110万=110万に税金がかかることになります。


勘違い②

贈与税がかからないようにするため、毎年100万円を孫の誕生日に贈与すればいい

→贈与を毎年同じ日で同じ金額にすると連年贈与と解釈される可能性があります。これは1年ごとに贈与を受けると考えず、契約した年分に有期定期金に関する権利(10年間にわたり毎年100万円ずつの給付を受ける権利)の贈与を受けたものと解釈されてしまう恐れがあります。

勘違い③

孫が小さいから孫の名前で口座を作って毎年100万円くらい移動させておこう

→「名義預金」とみなされ、贈与した人の贈与した人の財産を解釈されてしまう可能性が大きいです。印鑑・通帳を親権者に渡しておき贈与者が管理することは避けた方がいいでしょう。

勘違い④

110万円以下の金額をさりげなく妻や息子名義の口座に振り込んでおけばいい

→贈与とは、贈与者(財産をあげる人)が「あげます」と意思表示して、受贈者(財産をもらう人)が「いただきます」と受け取る行為を指します。贈与契約を取り交わし、贈与者が受贈者に財産を渡すことではじめて、贈与が成立します。そのため、一方的に振り込んだだけでは、贈与とみなされない可能性があります。